古民家と老朽家屋の違い
「古都鎌倉」と評される、昔の文化が漂う観光地である神奈川県鎌倉市には、古民家といわれる築古の中古一戸建て住宅が多く存在していました。
鎌倉市や京都・金沢など、歴史的価値のある町並みを持つ自治体では、文化保存の条例などで古い建物の保存が奨励されています。
古民家の定義に、どの時代に建てられたものか、あるいは建造され何年を経たものを指すかの定義はないが、通常は戦前以前のもの、特に大正以前のものをさす場合が多い。また、その建築方式が釘などを使わない伝統的日本建築で建てられた建物を特定することが多い。
似たような旧建築物が、他県の他市では単なる「老朽家屋・築古住宅」として、保存どころか解体して更地にするのに金がかかるからと相続放棄されている現状だったりします。
東京都の足立区・荒川区・葛飾区といった、昭和中期に工場街として栄え、そして衰退した地域には、相続放棄された老朽家屋が多数存在します。
これら建物は、古民家というような風情は当然なく、住宅密集地の路地裏・狭小地に建てられた再建築困難な売れない不動産であることが殆どです。
東京都や各区では、倒壊によって近隣住民の安全をもおびやかす可能性のあるこれらの建築物を相続人らに積極的に処分させるため必死です。
不燃化特区を設定し、
等のように老朽住宅除却(解体)後の土地に対する固定資産税の減免などによる、優遇措置を図っています。
それでも、相続人らが住宅に対する対策を放棄すると、最近では、
でも記したように行政代執行みたいな感じで、自治体自ら解体事業に乗り出すようです。
震災後、家屋倒壊による住民の生命の危機が自治体間でも深刻に考えられるようになった証でしょう。