日本風景街道、東海道保土ヶ谷宿(横浜)の旅籠屋さん
日本風景街道
日本風景街道とは、国土交通省が観光振興に提唱し、トヨタの奥田碩前会長が委員長を務める日本風景街道戦略会議に登録された、観光・景勝要素のある道路を意味します。
この団体活動(Scenic Byway Japan)は、アメリカで地域活性化活動として始まったシーニックバイウェイを日本式に取り入れたもの。国内全134のルートが登録されています。
神奈川県内の日本風景街道
「国道一号線系の風景街道」は、日本の中心・東京都中央区日本橋の「江戸・東京・みらい街道」からスタートします。
そして神奈川県の宿場町(横浜市神奈川区・保土ヶ谷区・戸塚区)の「東海道 風景街道 」を経由、湘南地域・大磯町の「ぶらり大磯」を通って、静岡県へつながれます。
これらは国道一号線ですが、江戸時代の東西交流の大動脈、東海道エリアでもあります。
東海道の歴史的建築物
東海道は日本一、人の行き来が多かった道路です。
浮世絵や落語など芸術芸能のモチーフにもなったように「絵になる」風景の多い(人が多く落語のネタも多い)場所です。
そんな東海道エリアは、もちろんお金が集まるから土地開発スピードも早く、同じ県の他地域に比較して急速に発展しました。
多くの歴史建築物が解体され更地になって新たな宅地になる中、残った歴史的建築物の保存に日本風景街道も一役を買っています。
旅籠・本金子屋
ところで、横浜市保土ヶ谷区で日本風景街道に登録されているのは、「旅籠・本金子屋」という江戸時代の旅館建物です。
東海道保土ヶ谷宿の中心地だった場所にあります。目の前は国道1号線、近所にAEONという環境の中ひっそり佇んでいます。
今は当然営業しておらず、相続された方が建物を保存してくれているだけなので周囲に比べ目立たない古家に見えます。
しかし、今は閉め切った旅籠本金子屋さんの「格子造り」の店間口を見ると、
「昔はこの軒先に『旅籠』の暖簾がかかり、夕暮れは提灯が掲げられ、屋根には『本金子屋』の看板が掲かってたのかな?」
等と想像してしまいます。