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建替え診断室

建替えか?リノベーション・リフォームか?神奈川~東京の中古住宅・査定事例を紹介!

一戸建て住宅の「不同沈下サイン」は犬走りから

欠陥住宅

不同沈下とは?

紹介の紹介で藤沢市の一戸建て住宅の小さなひび割れの改修相談を受けて、ボランティアでエポキシ樹脂を注入してきました。

クラック - Wikipedia

築5年目くらい、去年に気付いたそう。家の外回り、いわゆる「犬走り」に1箇所ひび割れがあるのに気がつき、ほんとはそのコンクリ区画を塗り替えたり・取り替える改修工事を望んでらっしゃいました。

でも、これは単なるコンクリクラックじゃなく、建物全体に影響する不同沈下の前兆かも知れず、コンクリを修繕しただけじゃ意味がないから、工事はムダになるのでやめましょう、と伝えました。

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エポキシ樹脂注入は、とりあえずそこから水が浸入するのを防ぐだけで、根本的には解決になりません。1~2年、様子を見て、出てくる不具合に細かく対処していかねばなりません。

住宅品確法の対象になるのかな?とぼんやり思いました。

藤沢市=ホントに高収入な持ち家の人が多い市

藤沢市は神奈川県内では、横浜・川崎に次ぐ都会で、上品さや高級感からすると川崎より上、横浜とどっこいなハイソな街です。

横浜は東京23区と同じで学生やビジネスマンの賃貸暮らしで人口を保っているけど、藤沢はホントに高収入の人が持ち家で暮してる率がかなり高いです。

証券・金融やIT系の若い高収入層がオシャレ生活を求め、下手したら23区の下町よりもゼンゼン高い地価にお金を投じ、オシャレな一軒家を建ててます。

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江の島相模湾の夕陽を眺められる、東洋のマイアミといわれる湘南でも一番の高級ライフは元手がかかっています。

藤沢市の地形・地質と地盤沈下

ところが藤沢市内には「旧村名」に、鵠沼・菖蒲沢・川名や、今田・用田・和田・福田など、湿地や田んぼを表す文字が入った所が多いです。水辺の湿地を水田にした農村地帯だったのが開発されて都市化しました。

「100年前に宅地開発された元農地」は大丈夫ですが、ここ10~20年に農地転用された分譲地は、田んぼの上に「盛土」で構成された土地です。

 

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また、丘陵地の乾燥地でも育つブロッコリーやニンジン栽培をしてたような水はけのいい畑を潰して、盛土して宅地化するならこれもまた地盤沈下の心配はあまりないです。

しかし、水田を潰してそこに盛土をすると、表面は新しい乾いた土層に見えますが、その下は「稲作のため泥地に水を張っていた土地」なわけです。

宅地分譲して、20年位ほっておけばいいですが、そんなノンキな不動産屋はいない。水田潰して盛土したそのコスト回収のため、銀行金利のため、ソッコーで分譲販売します。

そういう宅地に、「平屋」を建てるならともかく、「2階建て以上」で凝ったデザインのつまり重心バランスの悪い家を建てると、地盤沈下の一種「不同沈下」を起こします。

地盤沈下と不同沈下

不同沈下とは、地盤沈下の一種です。地盤沈下には、均等沈下と不同沈下の2種類があります。均等沈下は建築物が均等に地面にめり込むことで大した問題はないです。

不同沈下は、住宅が傾いたり歪んだ形に地盤沈下するもので、建築構造に支障をきたし、建物本体の倒壊を招く危険もある、やばい方の地盤沈下です。

そして、「ひび割れ=クラック」には、「新築後にコンクリートが乾いて起る収縮クラック(ヘアークラック)」と、「構造の歪みによって起る基礎クラック」があります。

上記の藤沢市のお宅の犬走りにはいっていたひび割れは、不同沈下の前兆、サインと見ることのできる「基礎クラック・構造クラック」の方に思えました。

不同沈下のサインは、最初にコンクリ壁面や基礎部分のクラックに現れ、次に屋内の壁や柱部分に歪みが出たり皹が入ったりします。その次に窓やサッシの立て付けが悪くなり、建具の開閉に不具合が生じます。

そこまで行くのに3~5年、そして「倒壊」すると言われます。でも、倒壊した家は見たことなくて、もしかしたら、犬走りのクラックだけで終わるかもしれない。

3~5年、なにもなければ、その先も大震災などで被災する以外、平常時なら何も起らない、心配はいらないそうです。

業者の調査の怖さ・・・

ちょっと傾いた感じの不便な暮らしになるだけ。中古住宅として売却する時は「欠陥住宅」のレッテル貼られて安値で買取されるけど、住み続けるなら問題なし。

地盤沈下といっても、見た目で「あー、沈下してますね」なんて近所から言われるほど沈み込むことなど(築古住宅や老朽家屋なら別ですが)心配はいらないように思われました。

なので、「様子をみましょう」で帰ってきたわけでした。

ちなみに、〔横浜市の欠陥マンションと行政訴訟、建て替え円滑化法〕で紹介したとおり、今、神奈川県内では一流業者の超大型マンション建築が進んでいて、これから先のための地盤調査も盛んです。

業者さんの調査の怖いとこは、これ良かれと思って日本中で行なわれてる〈分業〉というか、第三者機関の功罪というか。

簡単に調査を終らせ、また調査完了したことにしちゃう怖さ。調査が完了してなくても障害が発生すると完了にしちゃう。

調査のための掘削でよその上下水道管を損傷させたり、人員に不足が出たり、近隣対策費が三重四重に獲られる可能性が出たり。

現場会社は赤字ギリギリでやってるから、トラブルに耐え切れる予算を持ってなくて、事なかれで終らせちゃう。

業者さんの調査って、そんなこと多いから、怖いです。

犬走り(ドッグランにあらず)とキャットウォーク

しかし、犬走りってネーミング、もうちょっとマシな名称を使うべきなんじゃないかといつも思います。

犬走りは、現代の一戸建て住宅では建物の外壁とつながるコンクリート部分(または軒下などの雨に当らない部分など)をいいます。

wikiに載ってる「セブンイレブン店舗のレンガ部分」の写真が分りやすいです。

犬走り - Wikipedia

これに対して。

映画館や体育館などの大規模建築物で高天井の照明を補修するために設けた「吊り通路」をキャットウォークと言います。

キャットウォーク (通路) - Wikipedia

高所にある吊り通路の危なっかしい感じを「猫しか通れない道=キャットウォーク」と表現するこのセンスは頷けます。

でも犬走りは、ふつーに「家周り」とか「建物敷地」とか呼ぶほうが分りやすいのに、と。

昔(昭和時代)の一戸建て住宅のライフスタイルでは、この軒下の位置に飼い犬の犬小屋をおいていました。

でも、「犬小屋位置」であって、犬が走り回る場所じゃなかったはず。

元々は、お城の城壁の外側の土手部分を指して「犬しか歩けない=犬走り」と言っていたそう。これはイメージわきます。

犬走りを英訳しちゃうと、「ドッグラン!」。有料のワンコ公園になりますし。

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現代の建物の周囲の基礎部分を犬走りというのは、なんとも違う気がしてなりません。