ローコスト住宅の買取価格、簡易建築に対する査定
川崎市多摩区＝高級住宅地
本日、紹介による任意売却物件の買取依頼があって、川崎市多摩区某所へ行ってきました。
多摩区といったら明治・専修・日本女子などの大学を擁する学園街でもあり、隣の麻生区「新百合ヶ丘」と並ぶ人気駅、「登戸駅・向ヶ丘遊園駅」のある小田急線沿線でも人気のある地域です。
今でこそ、マスコミの武蔵小杉押しで賑わう中原区の方が人気ですが、昔は川崎市の高級住宅地といえば新百合ヶ丘と登戸がまず最初に名前が上ってたお金持ち地域。
ローコストの任意売却物件
でも、買取依頼のあった任売物件はローコスト住宅でした。ローコスト住宅と言うのは知ってたけど築年数も浅いし、まあ内見だけでもしてみようと。
キレイに使われていたのが分るお宅でした。「内覧会だけ片付けておこう！」ではなく、きっと大事に住まわれている。ローコスト住宅もピンキリですが、このお宅は利用程度はピン。
でも、設計というか建物自体が「キリ」。手抜き工事がなくても構造自体「簡単建築」、省略建物？ローコストといってもちゃんとしたユーザー目線のいい物件もあります。
買取希望をされていた戸建て住宅の所有者さんは、ローコスト住宅ビルダーの言葉を素直に信じていたようです。建築費用を抑えるため簡易な構造にしたのは分るけど。
（査定で値段がつくのかな？）
水周りや配線を集中させて、工事費用を浮かす
例えば、台所・風呂・トイレなど水周りを１ヶ所に集中させると、給排水の配管が１ヶ所に集まってて工事しやすい。また、１階のトイレの上に２階のトイレを設けるのもです。
その家は、１階はトイレ横が脱衣所・洗面所そして浴室、浴室の隣にリビングのキッチン。２階のトイレは１階のトイレの真上。そして洗面台はトイレの隣、つまり１階の脱衣所の上です。
しかし、この洗面所、２つある子供部屋のうちの１部屋の中にあるんです。プライベートが・・・。
施主支給や安い設備費用で低価格設定を死守する
これ以上の詳細はともかく。電気配線まで１階と同じ位置だから、階段の横にコンセントついてて所有者さんいわく一度も使ったことなかったとか。あるべき所にない。
２階のエアコンの１つは竣工後１年目で故障したけど、これが「施主支給」で、新古品を買ってきて、保証の対象外と言われ、もう１つの部屋からの冷暖房で我慢してたそう。
他に施主支給はないようですが、「仕入れの最低価格がディスカウントでも知れてて抜きが少ない機械設備機器」はＩＨキッチンもレンジフードも浴槽も安物ばかり。
こういう設備費用を抑えないと低価格設定で儲けが抜けないのかと世知辛い気持ちになりました。
他にも色々あり、詳細な調査は止めて「買取はしない。すみません」ということになりました。正確のよさそうな所有者さんだったので申し訳ない感じ。
ローコスト住宅建築で施主さんを口説く屁理屈
しかし、ローコスト住宅建築で施主（現所有者さん）を口説くのに、色々な屁理屈をつけたようです。
四角形のその建物。１階と２階の間取りが同じで、２階は子供部屋に洗面台があるくせに対面（四角形の反対角の位置）に「納戸部屋」を設けています。
（納戸って行灯部屋ともいい、江戸時代の遊郭で布団とかしまって置く行灯つけないと真っ暗な倉庫部屋、クローゼットルーム）
所有者さんには、「納戸部屋はトイレ横じゃなくここに必要。１階と同じ間取りこそ耐震構造。窓が小さいのも壁を多くし耐震性を高めた。神戸の震災でも窓の大きい住宅はほぼ倒壊した」という。
窓もない納戸部屋なきゃ、子供部屋とかもっと使いやすかろうに・・・。
水周りを集中させたのはフツーに「１ヶ所に集めれば配管分も経費を圧縮できるから」と言えばいいのに、「風水学上こうする」等と言ったそう。
ちなみにツーバイフォーではなく、在来工法、木造軸組工法でした。
多摩区のランドマークだった向ヶ丘遊園の観覧車
早めに物件内覧を終えて時間がありあまってたので、近所を車で回ってて、「多摩区のランドマークだった向ヶ丘遊園の観覧車」が消えてたのに初めて気がつきました。
もう１３年前に閉園してたとは。向ヶ丘遊園は駅利用や周辺道路を通ることは多かったものの、遊園地自体には興味がなかったので「閉園」を知らなかった。
