２０２０オリンピック用国家戦略特区ゲストハウス構想は何か変・・・

知人のシェアハウス経営を見て感化され、この１ヶ月近くは「ゲストハウスかシェアハウスに興味があるので、やってる人いたら紹介して」と人と会うたびに言っていたら、面白情報やデマがやたら入ってきました。

そして、ちょっと期待してた品川区や大田区ほか２３区・東京特別区のいくつかが「国家戦略特区」として、ゲストハウスを経営しやすくなるというネタが、よくよく聞いたら実現しなさそうだということでガッカリ。

小規模ゲストハウスと建築基準法の用途変更

品川や大田区だったら自分の営業エリアである横浜から近いし、超近代化してるワリに蒲田の裏のほうなんか貧乏ったらしい住宅密集地も残っています。

ゲストハウス開業の要件である建築基準法の用途変更義務が緩和される１００㎡未満の戸建て住宅が任意売却案件で売りに出ている可能性もあり、安く買える老朽住宅もあるんじゃないかと期待していたわけです。

「外国人旅行者のための国家戦略特区」の変な内容

でも、その「２０２０オリンピックに向けた外国人旅行者受け入れのための国家戦略特区」の話が、何だかな・・・って内容なのです。ちょっとネットで検索してみりゃ１ヶ月近くワクワクせずにすんだかも。

（政府のゲストハウス特区法のＰＤＦ）国家戦略特別区域における旅館業法の特例について

この特区構想のキモは「旅館業法の適用除外」、つまり旅館業法の許可を受けずに営業する、という法律の抜け道をゆけるオイシそうなキーワードだったんです。

しかし、実際はさほど旨味が感じられない。

そして、上記の特区の特例ページのＰＤＦファイルに書いてあることなんですが・・・。

客として扱って良いのは、「１０日間以上の長期宿泊者だけ（１０日間以上の賃貸借契約）」だそうで・・・。

そんな長期滞在、オリンピックの期間だけしか期待できないし、オリンピック見に日本までくる外人がゲストハウス泊まるはずないだろ？

・・・と。

日本に１０日間滞在するにしても、東京の１ヶ所に「沈没」し続ける旅行者なんていない。歌舞伎町と浅草を楽しんだら、北海道から大阪、京都、福岡まで国内線や新幹線で飛び回るだろう。

こんな特区法に従った宿泊所作ったって、１０日間以上も同じ根城に居座るやつなんて、短期の不法就労者とか売春系の連中しかいないでしょう？

こんな特区構想実現したら外国人スラム街ができる

このＰＤＦファイルには、

滞在の期間が長くなれば、短期間に宿泊者が入れ替わるホテルや旅館の場合よりも、定住性が強まり、公衆衛生上のリスクが減じられるとともに、宿泊施設の立地に懸念を有する周辺住民との関係でも受容しやすい

と書いてある。

怪しい外国人たちが長期滞在して、昼間からうろつき始めたら、その場所から「雰囲気的なスラム化」が進行するでしょ。

迷惑施設以外の何者でもないことは、東京や神奈川、埼玉の「無料宿泊所」が迷惑施設として、近隣住民から唾棄されていることを考えれば明らかなのに。

素直に純ゲストハウスが一番かも・・・

純粋にゲストハウスを開業するには、旅館業法・建築基準法・消防法をクリアしなくちゃ許可がおりない。旅館業法は保健所行って、建築基準法の確認申請に横浜市役所や２３区の区役所。で、消防署で防災設備の検査される。

面倒だけど、やるなら物件は買取しなきゃならないから、変な脱法的なこと考えず、遵法路線で純ゲストハウスのほうが面倒もないかもしれない。

旅館業法２条４項に照らしたリノベーション

ゲストハウス開業には、旅館業法２条４項を行なう施設としてのリノベーションが必要になる。

旅館業法２条４項とは、

この法律で「簡易宿所営業」とは、宿泊する場所を多数人で共用する構造及び設備を主とする施設を設け、宿泊料を受けて、人を宿泊させる営業で、下宿営業以外のものをいう。

とのこと。

東南アジア旅行などでバックパッカーが泊まるドミトリー形式、ザコ寝できる施設と個室の混合。でも、衛生設備もトイレ・浴室などもユニット形式を下取りしてくれば安上がりにできそうな気がする。

本当にやるとなったら、費用対効果で「１００㎡未満の小規模ゲストハウス」に拘るより、ちゃんと中型の物件を仕入れたほうが、（空室リスクやブッキングによるロスを考えると）安上がりになるかもしれない。