土地の日、地盤の重要性など考える〔横浜市青葉区~金沢区〕
10月1日、明日は法の日・都民の日とともに〈土地の日〉でもあるようです。
土地の日、法の日、都民の日(10月1日)
法の日や都民の日は確たる根拠があっての記念日のようですが、土地の日と10月1日の関係は深い意味合いはなさそうです。
「十月=ト月=トの月=トチの月」で10月は「土地月間」らしい。その土地月間の初日だから土地の日という・・・。
コトバンクによれば、
土地の日=10月1日。土地の有効利用について関心と理解を深める。
・・・だそうですが、土地の〈有効利用〉なんて個人(商業地主と農家)の問題で国民のほとんどは関係ないだろ、って思います。
土地の財産としての安全性の確認
不動産売買のトラブルになる要因では、不良施工よりもその土台となっている地盤のせいで住宅に欠陥が生じることのほうが多いです。
自然災害が住まい(財産)を直撃することが身近な話題になった昨今、土地を購入するさいの〔財産としての安全性〕の確認には、昔の何倍もの注意が必要になりました。
新築住宅がみるみる欠陥住宅に変貌していく軟弱地盤を掴まされないために、軟弱地盤が起こる地形・地理的な条件や特徴を知識として覚えておきましょう。
気をつけよう,軟弱地盤と標準貫入試験|独立行政法人土木研究所
立地・環境・地盤で売買時に注意しづらい事
不動産屋さんの営業トークに、「不動産(土地)は自動車と違って世に2つと同じものはありません、いいと思った時が買い時です」という決め台詞があります。
不動産は2つとない、と〈買い時〉は無関係ですが、これは「その立地条件と環境そして地盤」を指している言葉としては正しいといえます。
住宅は2×4や建売住宅などなら何万棟でも同じ物件を建てられますが、〔立地・環境・地盤〕がベストの不動産が見つかることは稀です。
ツーバイフォーとは|一般社団法人 日本ツーバイフォー建築協会
ただ、立地環境はビジュアルで説明しやすいので価格設定がしやすく、売主も気を使いますが、〈地盤の中身〉は地面の下の見えない箇所なので売買契約時に重視されません。
売主・仲介者の重要事項〈説明不足〉
買主は不動産購入なんて最初で最後。一度きりの買い物ですから、地盤まで気が回らないのは当然です。
売主・仲介の不動産屋が重要事項説明を端折ることが不同沈下トラブルを感情的にもつれさせる悪因です。
消費者としては、欠陥住宅を建てて泣きをみないように地盤関係の基礎知識を得ておくことが大切です。
危険性の高い地盤を掴まされぬよう避けておきたい分譲地の筆頭は、水の多い場所、水に関する場所です。
水は山の中腹の沢筋から湧き、または地下を通って、低い地域に流れ、窪地などに集まり更に下流域に海を目指して進みます。
高台プレミア―高輪台・白金台・青葉台
高台や丘陵地は盛土の土地では土砂崩れなどの危険はあるものの、地盤沈下を受けることは稀です。
それは高台の土地は水が滞留せずに流れていくため、水分含有量が低いからです。
高台地域は〔その地域の中でも高級地〕になります。東京都港区でいえば、高輪よりも高輪台、シロガネーゼの白金よりも白金台のほうが地価が高いです。
丘陵地の水はけのよさに対し、低地や窪地は絶えず湿潤な状態です。
横浜市、金沢区はお買い得な地域
だから横浜市でいえば青葉台(青葉区)が高級住宅街の代名詞なのに対し、海沿い埋立地の金沢区とかは比較的割安に買い求められるわけです。
金沢区なんか東海道の名勝地・金沢八景の地域で、最高のオーシャンビューだから〈高台プレミア〉の逆であるぶんお買い得なんです。
購入予定の分譲地周辺のロケ調査で観察したいこと
海沿いの地域でも頑強な地盤の安全な土地もあれば、出水地域と浸水地域、洪水地域の指定がトリプルで重なっているデンジャラスゾーンもあります。
軟弱地盤な宅地を購入しないため、購入予定の分譲地などの近所を散歩するのはいい方法です。そもそも自分が暮らす新環境のロケーション確認は大切です。
新しい舗装道路なのに凸凹っぽい=元湿地か水田
その購入予定地の周辺散策のさいに観察しておきたいのは、新しい開発地域のわりに「道路がうっすら凸凹してるか?」という点。
誰でも道路工事している工事現場を見たことあるはずです。そして、道路建設時は、その道路の表面のアスファルトは「まっ平」。
新品の道路は、機械でガチガチに踏み固められ平滑な仕上がり。デコボコ工事をしたら、そんな業者に次の公共工事は回ってきませんから当然です。
しかし平滑なアスファルト道路も、そこが元湿地や水田であれば、徐々に水の多かった所が乾燥してへこみ、もともと乾いていた畦道だったところはそのまま残ります。
そうすると、道路に起伏が生じ始めます。広めの県道でも田んぼ地帯を通るとやたら歪んでたりするのは、これが理由です。
個人住宅の凸凹に公的資金の補償はなし
これから購入する宅地の周辺の道路がこんな様子だと、同じことがそこら辺の近隣分譲地でも起りうる可能性があります。
道路の場合は、交通振動などでデコボコが生じ、ひび割れたりマンホール部分が浮いたりしたら「公共工事」として公費で修繕されます。
でも、個人の民家は改修するのも建替えするのも、その所有者の財産から費用を捻出しなければなりません。
神奈川県は水に因んだ地名が多い
不同沈下が起きてからのリフォームは困難ですし、建替えは結局「家を2回買ったようなもの」で、大損です。
また歩いていて住居表示にやたら「水」にまつわる地名が多かったら、その地域に住むのを前提として、販売業者に分譲地の履歴を詳しく突っ込んで聞きましょう。
そんなこと言ったら、
・・・横浜市なんて港北・港南・神奈川・保土ヶ谷・瀬谷・泉・磯子・金沢って、市内18区の半分は水系の地名だし、横浜自体「浜」じゃん!県自体「神奈川」じゃん!
となりますが・・・。
池沼の埋め立て=水源の上はヤバイけれど
そうではなく、地名自体を問題するより、地名を元にある程度の注意をする「目安」にしてはどうかと言う事です。
広告で見つけた分譲地が「全て」ではなく、ちょっと歩けば近所に似たような分譲地があることも多いです。
〈沼だった土地〉と、〈沼の周辺だった土地〉では、地盤の軟弱度が大きく違います。沼の周辺だった土地ならば地盤改良などで強固にできる可能性もあります。
沼の回りに高台になっている場所もある
同じ町内でも〔ちょっと高台〕になっている場所もあります。
日本はそもそも起伏の激しい国土ですから、せっかく家を建てるなら、ようく研究してベストポジションをキープすべきと思うのです。
そこら辺を、購入予定地の周囲を歩き回ったり、図書館資料などで調べたりして、ちょっとだけでも〈有利〉に土地選択をしてみたら、という話でした。