小田原城再開と鯱・懸魚のまじない
妻実家のある小田原に行き、花見をしてきたところ、小田原駅周辺はゴールデンウィークに合わせてリニューアルオープン(?)する小田原城のために、市役所も後援して大賑わいでした。
小田原城の鯱
地元民だけあって小田原城について詳しい義母から、天守閣工事を見てきたとか色々きいてて、今まで知らなかった、「【鯱】は、色んな城の天辺にくっついてる」というのを初めて知りました。
鯱は名古屋城にだけくっついているのだと思っていたら小田原城その他、けっこう色んな城の飾りになってるそうです。家紋ではなく、火を防ぐまじないなのだそう。
アラフォー男性だと、鯱といえばAVがVHSだった時代のシャチホコプレイを思い出します。あの鯱の姿勢はしんどい筈ですが、鯱はあのカッコで水を吐き出して家を守っているそうです。
龍モドキみたいな見た目で水を吐いてるところから、マーライオンと縁はあるのか?と思いましたが、マーライオンは海の神みたいなもんで、無関係らしい。
懸魚
あの鯱の飾りは大きく分けると、日本建築のうち神社仏閣の切妻造・入母屋造の屋根の「妻飾り」と言われる装飾で、懸魚(げぎょ)というものとルーツが一緒のようです。
懸魚は神社仏閣の屋根にはたいがいくっついています。屋根の角っこに鉄や銅などでその神社の紋や雲や花をデザインした飾りです。
なんで「懸魚」かというと、これは中国から伝わった装飾ですが、雲南省では火事よけのまじないに鉄でできた魚形の飾りを屋根から吊り下げ、吊り下げる魚だから「懸魚」と呼んだんだそうです。
懸魚の「懸」、懸命の懸は、体操の懸垂(けんすい)と書くこともあるように、「吊り下げる、ぶら下がる」みたいな意味があるようです。
雲南省では今でも魚の尾ひれを模った懸魚が主流のようですが、日本では独自のデザインアレンジを加え、バリエーション豊かです。
火事防止まじない
魚を屋根に吊るすのは、水中に棲む魚を「懸ける」ことで、絶えず建物に水をかけている状態を演出して、祈りとした?のではないかと想像します。
実際、京都御所では屋根の飾り瓦の内側に、生の鯉を祀っていたそうです。近年、御所の屋根葺き替え工事の時、干からびた鯉のミイラが見つかって、この風習が発見されたとのこと。