北斎と東海道、浮世絵・神奈川沖浪裏
ふるさと納税では、静岡県磐田市がうなぎをギフトにしたら、うなぎ足りなくなった?みたいなニュースが一昔前にありました。
食えば終わる鰻蒲焼に比べ、江戸切子のグラスは思い出にもいいし、話題にもなるし、何より目的が北斎美術館建設というのがいい。
葛飾北斎の代表作、富嶽三十六景は富士山の見える東京・神奈川・静岡の「東海道宿」を舞台にしているところから広重と比較されます。
歌川広重は、東京日本橋から始まり川崎・横浜を通って藤沢から箱根までの湘南・西湘を通り、三島・沼津の駿河湾沿いを抜け、名古屋そして京都にいたる、まさに東海道五十三次をきっちり描いています。
広重に比べると、北斎は東海道は神奈川県内が主で、多くは地元墨田区や江戸東京を描いています。また代表作「神奈川沖浪裏」に見られるように、富士山を遠景・近景に取り入れ、高波などアグレッシブな描写が特徴です。
「神奈川沖浪裏」は浮世絵をリスペクトし、北斎ファンであったゴッホも絶賛した絵です。因みにゴッホは自腹で浮世絵を買い集め、自分で浮世絵展を開催するほどの浮世絵ファンだったようです。
そんなすごい人の美術館を作るためのふるさと納税ですから、墨田区だけでなく東京都・神奈川県も何かしらのコラボ見たいなことをしたらいいのに、と感じます。