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空き家対策特別措置法と築古物件の処分

空家等対策の推進に関する特別措置法、略して空家法とも空家対策法ともいわれる法律が5月26日に完全施行されます。

空き家対策特別措置法

空家等対策の推進に関する特別措置法 - 国土交通省

空き家対策特別措置法が施行されることで、自治体が把握しにくかった「老朽空家の遠距離所有者」を特定できるようになります。

市町村の空き家バンクと条例

空き家条例 - Wikipedia

今までも全国の市町村で、空家活用の条例と「空き家バンク」を準備し、賃貸や売買の支援をすることで空家解決に頑張ってきました。

総務省による調査統計では、全国の空き家は820万戸、国内住宅の13・5%。空き家バンクと条例が、問題解決の特効薬にならなかったことを意味します。

空き家となる老朽家屋を親から相続した子息などが遠方に住んでいて、実家の所在地の「空き家バンク」との疎通がなかったことが1番の原因です。

空き家調査が法律上困難だった

自治体が所有者を調査しようにも、公的機関である行政が公共のルールである法律に縛られ、個人情報の調査を積極的にできなかったのです。

所有者が行方知れずならそんな建物は国家権力で壊しちゃえ、とは、人に優しい日本の法律だと言語道断というわけで、老朽化・朽廃を待つしかありませんでした。

空き家調査と解体撤去が実践的に

●空家等対策の推進に関する特別措置法案

今回の空き家対策特措法では、行方知れずの所有者を市町村が調査追跡できるよう、固定資産税の納税記録や戸籍情報の開示権限を認めました。

また、倒壊の危険のある老朽家屋や荒廃した一戸建ての廃屋に対し、市区町村は勧告を得て、解体・除去する行政代執行ができるようになりました。

廃墟 - Wikipedia

更に、今までは建物が建っていると更地に比べて固定資産税が軽減されていた、緩和措置そのものを見直すなど、ボロボロの古家を相続人が放置できなくなる状況になります。

空き家の活用は実質ほとんど無理

マスコミの多くは、「解体するだけでなく、活用する政策を!」等と善人ぶったキレイごとを並べます。

しかし、空き家の活用は政府や行政の仕事ではなく、所有者の義務であり立地によっては権利(チャンス)です。空き家問題の報道の多くはズレています。

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そもそも、空き家となるのは文化財価値のある古民家ではなく、高度経済成長期に建てられた住宅密集地・密集市街地にある安普請のプレハブ住宅です。

重厚な和風建築、洋風のレンガ造り、等なら廃屋寸前でも風情があって売れるかもしれませんが、築古のプレハブには貧しさしか漂いません。

また、4~5年もあれば、シロアリ君ほかの自然の脅威により建物内部はメチャクチャに荒らされ、全解体して再建築しないと躯体が使いものになりません。

築50年近く経つ、築古物件で、売却しようにも売るに売れないから、面倒で放置している所有者がほとんどなのに、その活用を行政が税金使ってやったらダメでしょう。