空き家対策特別措置法と太陽光発電商法
空き家対策特別措置法が施行される以前から、田舎には色んな新手商法の営業マンがきてたようで…。
太陽光発電の売電収入で空き家管理
神奈川県川崎市に住んでる知人が、数年前、静岡県伊豆の国市の実家を相続したら、太陽光発電の営業マンが訪ねてきたようです。
住民票附表か登記簿謄本から追ったのか?伊豆の国市とは疎遠の知人に、実家が廃屋にならない方法として「太陽光発電(売電)」による収入で空き家管理費を捻出しませんか?とセールスに。
空き家対策法商法は数年前から流行
伊豆の国市は、観光地としては近く韮山反射炉が世界遺産登録され大ブレイクする兆しがあります。でも普通の会社員には人的交流や情報入手に不便な「田舎の過疎地」です。
実家に未練なく、物件自体売り払おうという気持ち。でもヒマなのでソーラーパネル屋の営業話を適当に聞いたみたいです。おかげで地元情報に詳しくなったそう。
営業マンいわく―伊豆の空家率はハンパない、将来の空き家対策法で空き家を放置すると税金が高くなる、放置せず土地を活用管理しましょう。―
つまり、空き家の屋根や敷地に太陽光パネルを敷設して製造した電力を「中部電力」に売電し、空き家の管理費を維持しましょう、みたいな話。
空き家相続人への太陽光発電の売り逃げ
「当社は客を囲い込むつもりがないから空き家の管理まで委託を受けるなんてしません、どうぞ地元の不動産屋さんと自由に契約して下さい」―という。
売電収入のデマカセ言って太陽光発電システムを売り逃げするだけの業者、と知人も察し、契約はしなかったけど、色々と聞いたら同級生の話が出てきたそう。
「同級生のAさん宅も空き家になってから太陽光発電使ってもらってます。家の塀に『当社の広告』貼って、当社は広告代で支援してあげてるんです」とも。
神奈川・相模原や山脈地帯の太陽光エリア
空き家対策以外にも〈太陽光発電で売電収入〉をネタにした営業は色んな所で行なわれます。
相模原市方面、つまり神奈川県の山側の方へ行くと、山の斜面やら川沿いやら至る所にソーラーパネルが敷き詰められてます。
恐らく〈休耕地を活用して副収入しませんか?〉みたいに相模原地域の純朴な農家を口説くのか・・・。
ありえない広さの〈ソーラーシェアリングエリア〉が点在してる。そして、葦など雑草が太陽光発電装置の回りにボサボサ。
こんなもん、〔ローン組ませて千万円単位で毟る〕んだから、雑草刈りくらいサービスでしてやれよ・・・というか、危なくない?
広大なソーラー地帯、コンクリ基礎なしで大丈夫か?
東京都の奥多摩地区や富士山を擁する山梨・静岡の山々を〈山頂〉として、山々に降った雪雨が川になって相模湾に流れ込みます。
神奈川は県全体がその流れの中腹とか河口部分。
そして、箱根とかさらに山上の相模原で見かけるソーラーシェアリング地帯は、だいたい山の急斜面。それか川沿い。
それらは太陽光パネルの周囲がススキみたいな雑草で覆われてた。「なんで、雑草が生えてるんだろう?」と感じた。
もしかして休耕地や山の斜面を埋め立てたり〈切土〉した、その〈地盤の全体をコンクリート補強〉してないから雑草が生えてるんじゃ?
太陽光装置の骨組みの足元部分だけはコンクリート埋立てしてても、急峻な山地の急傾斜や川沿いに〔数メートル程度の深さの杭打ち〕だったら怖い。
「発電《工場》」なんてネーミングさえ使う業者もいるんだから、《工場》なんだから、むき出しの地面じゃダメだろう。
全体をコンクリ基礎で固めなきゃ、地滑りや洪水・土砂災害の時、どうするんだろう。
地盤と〈涵養機能〉は大丈夫か?
東日本大震災の時に、太陽光業者が被災農家や自治体を口説いたセールストーク。
『太陽光発電で売電しても、いつでも農地に戻せます』みたいな。ソフトバンクの社長も言ってたか。
コンクリで埋立てると農地に戻せないから〈悪〉みたいなすり替え。
そんだけ、コンクリ基礎で安全確保しない分、金かけずに儲けられると。
被災地は何年間だか放射能がなくなるまでという時限措置だろう。
それに被災地域は海の近くの平地だから、いざという時、被害を受けるのはオーナー農家だけで済む。
でも山の上とか川の中腹の田畑や地盤を切り取って、〈天然の涵養機能〉を破壊して、コンクリ基礎も敷かない〈ノーガード〉で大丈夫なのかと。
自治体が音頭とって推奨までしてたけど、いずれ、地滑りや洪水等の被害が起りそう。下流域や山のふもとの人達を被害者として。
相模川だけでも相模原市、愛甲郡愛川町、厚木市、座間市、海老名市、高座郡寒川町、平塚市、茅ヶ崎市が被害の的。
そんな風な点でも、〈太陽光発電によるエコロジービジネス〉には疑念があります。
太陽光発電システムの故障やメンテ費用
太陽光パネルなんて中国産などメーカー次第で価格はピンきり。
超格安品を仕入れて高値で売りつければ、個人宅相手に10年(安っすい)広告代払い続けても、痛くも痒くもない。
広告代を貰うことで設置宅にも〈事業者気分の〉負い目ができ、頻繁な故障やメンテナンスに客が自腹で対応しなければならなくなる。
また、Aさんのように営業先でしばしば名前を使われ、信用のネタにされれば、業者がトラブル起こして逃げたら金銭価格に代えられないダメージになります。
素朴な田舎の人の地縁や性格をネチネチと利用していく、この手の商売は、先が想像つきます。知人もその「Aさん」に忠告してやるかどうか、迷ったそうです(今だ忠告してないそう)。