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銭湯東京都内事情=ここから近い周辺銭湯・コインシャワー

銭湯とは、公衆浴場のうち〔普通公衆浴場〕を指し、人が料金を支払って入浴したりシャワーを浴びたりする風呂屋のことを意味します。

銭湯の意味する公衆浴場の「公衆」は【公共】ではありません。公の大衆を対象とした、という意味です。
普通公衆浴場の対語は〔特殊公衆浴場〕です。スーパー銭湯健康ランド、サウナ、そしてフィットネスクラブの大浴場がこれに当たります。
「スポーツクラブのバスルーム」のうち、ティップネスやジェクサーなど大施設の風呂・浴槽付の所は公衆浴場に当たります。
ここから逆に考えれば、ボクシングジムや道場のシャワールームは公衆浴場に当たりません。

公衆浴場 東京都福祉保健局

東京 自宅から一番近くの銭湯

地方在住の友人から「子供が4月に大学に入るが、本人の希望で、風呂無しアパートに住んで銭湯通いをしたいらしく、東京都内でアパートから近い周辺に銭湯があるような地域を知らないか?」という相談を受けました。

銭湯 - Wikipedia

アラフィフである私が学生だった20数年前は、早稲田・高田馬場周辺には風呂ナシ学生アパートが沢山ありました。
銭湯でいえば、目黒区・世田谷区・大田区――今はIT企業のメッカである中目黒にも、昔ながらの銭湯が何件か営業していました。

かつて、早大高田馬場や東大・本郷周辺の優秀な学生のための風呂無しアパートや賄い付き下宿がありました。平成になってここから安いアパートも銭湯も消え、銭湯の跡地には瀟洒なオフィスビルが建っています。
(バブルの頃でさえ銭湯はけっこうありました。ここから風呂屋が消えていったのはバブル後です)
目黒や世田谷は発展の象徴的エリアですから中目黒や祐天寺にあった銭湯や古本屋は消え、世田谷も三軒茶屋をはじめ、山の手線内の延長エリアとして大変貌し、周辺に【昔、見かけた】銭湯は見かけなくなりました。

社会人となってからは、「自宅から近い銭湯」の必要性を全く感じなかったため、東京都内でどこに銭湯が多いのか、銭湯周辺の風呂無しアパートなんてレトロな物件が現代に残っているのか、皆目見当がつきませんでした。

銭湯営業時間、江戸・東京

銭湯の歴史は、鎌倉時代に寺や神社が庶民に無料で浴場を開放していたのが荘園制度崩壊と共に料金を取るようになったのが始まりとされています。
江戸時代までの銭湯は蒸し風呂タイプの入浴法(湯屋)が主流であって、テルマエロマエ的な大浴槽があって集団で風呂に浸かるタイプの風呂屋が主流になったのは近代になってからのようです。

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現代においては、早朝から深夜までやっている銭湯もありますが、一般的にはなぜか開業時間は午後3時が銭湯営業のスタンダードです。
この【銭湯の営業時間=午後3時から】という風潮は、全国の銭湯でもなんとなく標準になっています。
これに理論的な根拠はなく、単に誰かが午後3時にしようと言い出し、ここから他が右に倣えで慣習化しただけのようです。
10年位前、東京都内で誰かがやりだし、「早朝営業は儲かる!!」と分ったら、続々と朝から開店する銭湯が増えましたから、【銭湯の営業時間=午後3時】というのに、さしたる重みはないということでしょう。

江戸時代の銭湯、つまり湯屋・風呂屋は、朝8時から夜8時までが平均的な銭湯の営業時間だったようです。
お江戸・東京は、かつて「火事は江戸の華」と言われるほど火災事件が多かったため、庶民は家に風呂を持つことを禁じられていました。
よって、銭湯はその地域の独占商売です。「馬鹿でも銭湯をやりゃ儲かる」といった寺や神社の跡取りのようなシステムだったようです。

新規参入業者を阻むため、【湯屋株】という、相撲部屋の「年寄株親方株」みたいな寄合い制度があって、銭湯の値段は独禁法も関係なく湯屋・風呂屋の寄合いで決めるみたいな感じです。
ここから今の公衆浴場法の、「現存する銭湯の300m以内に新しく銭湯を作るのは禁止」という条項に発展し、今に名残りを残しています。

公衆浴場法概要 |厚生労働省

銭湯料金、東京価格

江戸・東京において、銭湯は地域独占商売だったため、物価統制令によって入浴料金の上限が定められていました。
貸金業における上限金利のようなものです。昔の銭湯は260円(26=ふろ)、今はなんと「460円」です。
銭湯の寄合い制度は今もあるから、サービス精神に溢れる銭湯でないそこらの銭湯は皆この値段で、かつ「大人=12歳以上」というタチの悪い商売です。
「このくらいボッたくっても、安くしても家に風呂のない貧乏人は銭湯に来る回数、変わらないだろう?」みたいなノリではないでしょうか?

入浴料金のお知らせ | 【公式】東京銭湯/東京都浴場組合

冒頭に記した、地方の友人から相談された「銭湯から近い風呂なしアパートに息子を住ます件」については、猛反対しました。

自分の周辺不動産賃貸業者に聞いてみたものの、「東京都内のボロアパートの最低家賃+23区内の銭湯料金」と普通のユニットバス付きワンルームとを比較すると、(1回の入浴で『460円もボッたくられ』たら)風呂なしアパートに住んで近所の銭湯に通うより、100%、UB付ワンルームの方が安上がりだからです。

銭湯料金と東京のコインシャワー

もし、【受験のための浪人生活で都内の予備校に通うのに1年に限り】というのなら、自分を戒めるため、銭湯どころか【風呂なしアパートor賄い下宿&『コインシャワー』】という生活方法さえあります。
東京都心の学生街の近く~周辺の住宅街には、コインランドリーと併設して、またはランドリールームの中に【10分100円のコインシャワー】がついているところがあります。
東京都以外では、富士登山の山小屋の10分700円とかいう詐欺まがいのコインシャワーくらいしかないかも知れません。だから、コインシャワーと言っても「???」といった人が多いでしょう。
(最近では幹線道路のロードサイドに『ペット用のコインシャワー』がありますが、人間用の『100円シャワー』は、ペット用の大きいものではなく、シャワールームが半畳、1m×1mもないような狭いスペースです)
もっとも、東京都内のコインシャワーも20数年前は沢山あったのが、今はあまり見かけません。
当時から100円入れて中に入るとロックがかかり、防犯カメラを入れるほど利益率の高くないコインシャワールームでは、犯罪の温床になる危険性がありました。
マスコミ沙汰にはなりませんでしたが、閉塞空間での強姦リスクや【プチ売春(テレクラやダイヤルQ2で男性と交渉し、近所のコインシャワーでセックス)】も、なくはなかったのです。
経営する側がワリにあわず、減少したのも当然と言えます。
東京23区の下町エリアである荒川区・足立区・江戸川区辺りには、まだコインシャワーが残っていると聞いたことがあります。
コインシャワーは、あれば学生や外国人労働者の人達に重宝するだろうと思える、いいシステムです。

1年間に限る受験戦争期間をストイックに過ごすなら、コインシャワーの近所の下宿生活で汗臭い孤独な時間を過ごすのも修行になります。
しかし、大学4年間をそんな「神田川」的+昭和歌謡なナルシスティックな生活でムダに潰すのは滑稽なだけです。
下宿して近所の銭湯に通うより、UB付きワンルームやシェアハウスに入居して、そのぶん仕送りを減らしてバイトに励むほうが、よほど将来への展望が拓けるでしょう。

また、風呂ナシ下宿やアパートに住むにしても、今の銭湯料金(1回460円)を鑑みると、自宅や大学近くのシャワーのあるボクシングジムやフィットネスクラブに入会したほうが割安です。
何より、銭湯に行ってヒマな爺さんや低所得層と顔見知りになるよりは、シャワー付のジムやクラブに入会して、まともな社会人の先輩とつながりを持つことの方が有益です。
そんな風なことを友人に話し、彼の息子に銭湯から近いアパートでのワビサビ暮らしはやめさせるよう諭しました。

ここから一番近い銭湯、東京都内

東京都には公共浴場1施設も含め659の銭湯、神奈川県には184の銭湯が残っていることが調べてみて分りました。
東京都といってもほぼ都内23区、神奈川は横浜・川崎に銭湯が集中しているということでしょう。

ここから考えられることは、私が考えていたほど銭湯は減っておらず、またマスコミがいうほど「東京から銭湯の灯が消える」こともないのでしょう。
「銭湯離れが進んだ」としても、どういう公的助成や資金がまわっているのか知りませんが、東京都内では銭湯が減ることはさほどないかも知れません。

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以下は、東京23区内(および東京市部)の各区毎の銭湯数です。ここから見ると、特に都内23区においては、けっこう自分の住んでる近所・周辺にも銭湯ってあるんじゃないか、ということが推論できます。

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(東京都内23区)
足立区の銭湯数=31件
大田区の銭湯数=31件
江戸川区の銭湯数=30件
品川区の銭湯数=25件
葛飾区の銭湯数=24件
杉並区の銭湯数=24件
板橋区の銭湯数=23件
新宿区の銭湯数=22件
台東区の銭湯数=21件
世田谷区の銭湯数=20件
荒川区の銭湯数=19件
北区の銭湯数=19件
中野区の銭湯数=17件
練馬区の銭湯数=16件
豊島区の銭湯数=16件
墨田区の銭湯数=16件
江東区の銭湯数=14件
目黒区の銭湯数=10件
渋谷区の銭湯数=9件
文京区の銭湯数=6件
中央区の銭湯数=6件
港区の銭湯数=5件

(東京都市部)
町田市の銭湯数=5件
府中市の銭湯数=5件
立川市の銭湯数=5件
八王子市の銭湯数=5件
西東京市の銭湯数=4件
多摩市の銭湯数=4件
東久留米市の銭湯数=4件
清瀬市の銭湯数=4件
狛江市の銭湯数=4件
調布市の銭湯数=4件
昭島市の銭湯数=4件
三鷹市の銭湯数=4件
武蔵野市の銭湯数=4件
千代田区の銭湯数=4件
稲城市の銭湯数=2件
東大和市の銭湯数=2件
国分寺市の銭湯数=2件
東村山市の銭湯数=2件
小平市の銭湯数=2件
あきる野市の銭湯数=1件
武蔵村山市の銭湯数=1件
国立市の銭湯数=1件
小金井市の銭湯数=1件